初恋ディジー
「……俺だって佐脇さんが初恋の相手だよ」
顔を上げれば、そこにはハニかむ彼の顔。
緊張しているのは自分だけじゃない。
榛名くんも同じなんだ――…
「迷惑じゃないの?今さら都合良すぎるって」
「確かに都合良すぎるよね。 ……だけど、好きなんだからどうしようもない。ずっと……会いたかった……」
そう言って私の頬を優しく撫でるその手は、ヒヤッと冷たい。
「手……冷たくなってる」
「大丈夫……」
しばらく穏やかな笑顔で見つめ合った後、どちらからともなく顔を寄せた。