初恋ディジー

ピピピピピッ、


「――あ、時間切れか……」


携帯のアラームを止め、榛名くんは残念そうに呟く。


「時間切れって?」


「俺ね。今日の夜行バスで帰らなきゃいけないんだ」


「えっ、そうなの?」


「ごめんね。親には何も言わずに出てきちゃったからさ……」


そう言ってポケットに携帯をしまった。


「そっか……」


何か寂しいな……

会えたと思ったのに、もうサヨナラなんて。
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