初恋ディジー

「ははっ、最後に別れた時も泣いてて今日もまた泣くんだ」


「だ、だって……」


「まあ、泣かしちゃってるのは俺だからね」


フッと笑うと、私が泣き止むまでずっと抱きしめていてくれた。


そしてバスの音が近づいてくると、私達は身体を離した。


バスが静かに目の前で止まり、そのドアが開く。


「気をつけて。家に着いたらちゃんとメール入れてね、心配だから」


「うん。榛名くんも気をつけてね……今日はありがとう」


その言葉を合図にするかのように、バスのドアは閉まった。
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