初恋ディジー

焼きあがったクッキーを電子レンジから取り出すと、すかさずさくらちゃんが後ろから手を伸ばす。


「あっ!」


声を上げた時、

既にクッキーはさくらちゃんの胃の中へと消えていた。


本当につまみ食い大好きなんだから……


クッキーを透明のセロハンに入れ、赤やらピンクなどのカラフルな水玉のリボンを縛る。


「何かズルいよね、麻有」


ラッピングされたクッキーを見つめながら、さくらちゃんが何故か羨ましそうにそう言った。


「ズルいって何が?」

と訊ねると。
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