初恋ディジー

「麻有!お腹空いた!」


せっかくの時間を邪魔されてムッとするけれど、ご飯の支度は私の仕事だから仕方がない。


「今行く」


携帯を閉じ慌ただしく階段を下りると、由真ちゃんが椅子に座りながらむくれていた。


「も~う!下りてくるの遅いじゃん」


「……私にだってやることはあるんだよ?」


「何言ってんのよ!朝っぱらから彼氏とラブラブメールしてんのバレバレなんだからね。そんな時間があったら、一分でも早くご飯の支度してもらいたいわ~」


そう口を尖らせる由真ちゃんに、あたしはため息一つ零した。


「……由真ちゃん、もしかしてまた裕樹さんと喧嘩したの?」


「えっ」
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