初恋ディジー

そんな裕樹さんに、私までドキドキとしてしまう。


「だ……だってっ……」


嬉しさを隠しきれない様子で目に涙を浮かべる由真ちゃん。


「由真が見た彼女はジュエリーショップを経営してる俺の友達のお姉さんで、婚約指輪を見立ててもらってたんだよ」


裕樹さんはそう言って由真ちゃんの左薬指にそれをハメた。


「まだ予約だけどいつか本物プレゼントするよ。 ……だから取りあえずはこれで我慢してもらえる?」


「……っ、裕樹の馬鹿っ」


由真ちゃんが泣きつく。

そんな由真ちゃんを優しくなだめながら、裕樹さんは抱きしめた。
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