初恋ディジー

―――――キィ、


「きゃっ……」


女子のひとりが屋上のドアを開けた途端、そこへ思いっきり突き飛ばされた。


私は転倒して、持っていた紙袋が手から離れる。


「あっ!」

と散らばったそれを拾おうと手を伸ばした時。


“グシャ”という音がして

目の前のクッキーが踏みつぶされてしまった。



「な……何するんですかっ!」


自分でも驚くほどの大声を張り上げ、彼女たちを見上げる。
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