初恋ディジー

「これ、暁人にあげるつもりだったのよね?」


何で、知って……


――――あっ!


私はふと横に居た一人の女子に目を向ける。


彼女は同じ家庭科の授業を選択している子だった。


「誕生日やバレンタインの行事時ならまだしも、何でもない時に一人抜けがけしようなんて許さないわよ」


そう言って彼女たちはあっという間にクッキーを粉々にした。


ヒドイよ、こんなのっ……


今にも涙が溢れそうになった時だった。
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