初恋ディジー

「……ごめんな、佐脇さん」


榛名くんは座り込んでいた私を立たせると、ハァと溜息吐いた。


「どうして榛名くんが謝るの?」


「アイツら……俺の熱狂的なファンらしくてさ。

こういうの今回が初めてじゃないんだよね」


そう言って、落ちていた紙袋を拾う。


「ほんっとにゴメン!」


申し訳なさそうに頭をさげる榛名くんに、私は首を横に振った。


別に榛名くんは何も悪くないよ。
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