初恋ディジー

「じゃあ、それ食わせて」


榛名くんの言葉に、私は“え?”と目を丸くする。


「いいの?すっごく甘いのに……」


「いいよ、別に。全く食えないわけじゃないし。

だから食わせてよ?」


「でも今持ってなくて、教室に行けば……」


「じゃあ、早く戻ろうぜ」


「う、うん……あ、助けにきてくれてありがとう。また借り作っちゃったね」


「いいっての、俺が勝手にしたんだから」


榛名くんはニッコリ微笑んでそう言った。
< 49 / 393 >

この作品をシェア

pagetop