初恋ディジー
「じゃあ、それ食わせて」
榛名くんの言葉に、私は“え?”と目を丸くする。
「いいの?すっごく甘いのに……」
「いいよ、別に。全く食えないわけじゃないし。
だから食わせてよ?」
「でも今持ってなくて、教室に行けば……」
「じゃあ、早く戻ろうぜ」
「う、うん……あ、助けにきてくれてありがとう。また借り作っちゃったね」
「いいっての、俺が勝手にしたんだから」
榛名くんはニッコリ微笑んでそう言った。