初恋ディジー
「佐脇……お前もいい加減“断る”ってことを覚えなさい」
――そう言われた。
「で……でも、」
「“でも”じゃなくて、これは日直の仕事なんだからお前がやることじゃない」
私の言葉を遮り、先生はそう言ってそれをディスクに置いた。
「人の役に立つことは嫌いじゃないので」
私は軽く頭を下げると、先生の傍から離れる。
「気を付けて帰れよ~」
という声を背後に聞きながら、そっと職員室のドアを閉めた。