初恋ディジー
「実際のところ、どうなわけ?」
「どうって……何が?」
紙袋を机の横にかけ、次の授業の準備をする。
「だから!麻有は榛名くんのことをどう思ってるのかって聞いてんの」
「どうって、優しい人だとは思うけど……」
「本当にそれだけ?好きになってたりしない?」
「……それはないと思う」
彼のことよく知らないし、第一“好き”っていうのがどういうものなのか分からないよ……。
「さくら。あまり麻有を焦らせないの」
黙って私達の会話を聞いていた希沙ちゃんが、苦笑いを浮かべながらそう言った。