初恋ディジー
「やっぱ麻有ちゃんは優しい!どっかの誰かさんとは大違い」
「ちょっと!それって私のこと言ってんの?」
私の手をガシッと握りながらそう言った彼に、不機嫌な顔を浮かべるさくらちゃん。
「……つーか、そもそも本山と麻有ちゃんを比べること自体失礼だよな!ごめんな?」
崎本くんはそんなさくらちゃんから目を逸らして私に謝った。
「私に失礼だっての!ってかいつまで麻有の手握ってるつもり?」
「いてっ……」
甲部分の皮をギュッとつねられ、声を上げて彼は手を離す。