初恋ディジー


ガタッと席を立ちあがった女子が、そう言って先輩たちの傍の机を叩く。


「……はあ?あんた、何年よ!」


それまで榛名くんに夢中だった先輩たちは、彼女の方に視線を向けた。


「1年だけど何か?」


怯むことなく、腕を組みながらそう返す彼女。


「……ッ、あの馬鹿!」


隣りに居た崎本くんは軽く舌打ちをして、慌てて教室に入っていく。


そして

「1年のくせに、調子に乗ってんじゃないわよっ」

と言って彼女に振り上げた先輩の手を、

“ケンカはやめましょうよ”と掴んだ。
< 72 / 393 >

この作品をシェア

pagetop