初恋ディジー
ガタッと席を立ちあがった女子が、そう言って先輩たちの傍の机を叩く。
「……はあ?あんた、何年よ!」
それまで榛名くんに夢中だった先輩たちは、彼女の方に視線を向けた。
「1年だけど何か?」
怯むことなく、腕を組みながらそう返す彼女。
「……ッ、あの馬鹿!」
隣りに居た崎本くんは軽く舌打ちをして、慌てて教室に入っていく。
そして
「1年のくせに、調子に乗ってんじゃないわよっ」
と言って彼女に振り上げた先輩の手を、
“ケンカはやめましょうよ”と掴んだ。