初恋ディジー
教室に帰ってくると、早速余ったクッキーを詰めたタッパを取り出した。
「ちょうどひとつ余ってるから……ちょっと待ってね」
ピンク色のラッピング袋にクッキーを入れ、赤と白の水玉リボンで口を閉じる。
「どうぞ」
ラッピングしたクッキーを渡すと、由香里さんが“うわー”と目を見開いた。
「すっごい綺麗なラッピング! ……女の子って感じ」
感心しながらそれを見つめる由香里さんに、少しばかり照れくさくなる。
「開けるのが勿体ないぐらいだね。家に帰って食べることにする」
そう言って彼女は自分のカバンにそれをしまった。
「あ、こんなところに居た!ゆかり~っ、もう委員会終わったの?!」