初恋ディジー


「……そ、そうじゃなくてっ!」


そんな彼を見て、少し言葉が足りなかったのかもと思い、首を左右に大きく振った。


「私はただ、今の榛名くんが好きだな……って……」


「……え?」


さっきまでの表情とは打って変わって、今度はキョトンと目を丸くする榛名くん。


「好きって……どういう意味?」


「えっ?!あ、へっ?!ち、違うのっ……」


自分がとんでもないことを言ってしまったことに気づき、焦りが増していく。


“好き”なんて言葉を、サラッと口にした自分に驚きを隠せない。
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