初恋ディジー
「好きっていうのはそう意味じゃなくてっ……
人間としていいなあっていうか、えっと、その……」
次第に頭の中が混乱してきて、何が言いたいのか分からなくなってきた時、
「そんなに慌てて弁解しなくても、ちゃんと分かってるから」
“プッ”と今にも吹き出すような感じで
榛名くんがあたしの顔を見て笑った。
――ああ、またからかわれたんだ。
「……笑い上戸な上に少し意地悪な人だったんだね。
まるで人のことをワザと困らせて楽しんでるみたい」
少し不貞腐れながら、片方の手で制服のスカートをギュッと掴んだ。