使命
―ねぇ、君はどう思う?

クロは訊いた。

―何がだ?

―私達が、生まれもって与えられた意義。

―殺し続け、消し続けること、か?

そう、とクロは肯定した。

―どう、って。それが、俺達の使命じゃないか。

俺は答えた。

―そう。…そうなんだよね。

そう言うクロの声は憂いを帯びていた。

―ねぇ、真白。私はね、この使命がとてつもなく嫌なの。
―私がこの使命の下にしか生きられないことが、とても悲しい。


俺は、クロの言っていることが信じられなかった。

俺達は使命の為に生まれ、使命に生き、使命の下に死ぬ―…そうとしか考えていなかった。

だからだろう、クロの言っていることが、俺には馬鹿馬鹿しいとしか思えなかった。

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