心はいつも、貴方とともに







「何か御用ですか。」


「なんだ、その不機嫌そうな口調は。」



くるりと椅子ごと振り返ったランバートは、明らかに面白がっている様子だった。



あぁ、この人はまた何かすごいことを言うんだろうな。



もはや、彼に持っていた『クール』というイメージは崩れ去った。



「ミアは元気か?」


「先程お会いになったんじゃ?」


「俺の前では元気さ。
でも、普段はどうかと思って。」



そういう顔は、やっぱり兄の顔だった。



無茶なことをふっかけつつも、やっぱり妹が大切なんだな。



ふっとジークの頬は緩んだ。



「はい、だいぶ心を痛めておられるようですが、お元気そうです。」


「そうか。
…自殺を仄めかしたりはしてないだろうな?」



とんでもない言葉が飛び出した。



ジークは思わずランバートを二度見してしまった。



「なんですって!?」


「だから、バルコニーから身投げしそうになったり、刃物を隠し持っていたりなんてしないよな?」


「私が知る限り、ないと思いますが…。」



何かあったんですか?と思わず詰め寄った。



「いや、そうでないならいいんだ。」



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