心はいつも、貴方とともに
「仕方ないんだ。」


「どう仕方がないんです!
この間私が生贄になると申し出たときには、首を縦には振らなかったくせに!」



アミリアは泣きながらランバートをなじった。



どうして、どうしてあの子なの。



私じゃ、駄目なの。



バンバンとランバートの胸板を叩く。



騒ぎを聞きつけたジークが、すぐに部屋に入ってきて、間に割って入った。



その顔は困惑しきっている。



「何が…。」



アミリアを抱きすくめるようにして引きはがしたジークは、ランバートに説明を求めた。



その間もアミリアは身をよじって抜け出そうとする。



ランバートは服装をゆっくりと整え、言った。



「なんでもないんだ。
ただ、ミアがヒステリックを起こしただけで。」


「よくもそんな言い方を!」



腕越しにジークの緊張が伝わってくる。



あぁ、この人にこんな姿を見せたくはなかったのに。



「もとはと言えば。」



父王が、口を開いた。



慌ててジークは居住まいを正す。



「もとはと言えば、アミリア。
お前が求婚を断ったせいだ。」



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