心はいつも、貴方とともに
「アミリア!」
アミリアはランバートの声で我に返った。
噴水に腰かけていたアミリアは、身体をねじるようにして後ろを振り返った。
ランバートは何とも言えない表情で、アミリアに近づいてきた。
「何を考えていた?」
「え?」
「お前、さっき、何を考えていた?」
どうやら見透かされているようだ。
ランバートはアミリアの隣に腰かけた。
「ちょっと、考え事を…。」
言い訳しようと、ランバートを見上げたとき。
その憂えた瞳にものが言えなくなった。
「また、あの子のことを考えていたんだろう。」
「はい…。」
嘘は吐けないと思ったアミリアは素直に頷いた。
「ミア…。」
「わかっています。」
次に何を言われるのか、もうわかっているアミリアは先を遮った。
ランバートも、もう再三言っているので、口をつぐむ。
その代わりにそっと頭を撫でた。
「もう、忘れてもいい頃なのに。」
「お兄様はお忘れなの?」