心はいつも、貴方とともに
びくりと身体が強張る。



それでもジークはアミリアを抱く腕に力を込めた。



「大丈夫ですよ、姫。」



優しい声で囁かれ、アミリアはゆっくりと身体を預けた。



「何があったか、私にはわかりません。
でも、姫にはランバート様がついています。」



それに、私も。



最後に小さな声で付け足される。



アミリアは胸がときめくのを感じた。



いやだ、こんな時なのに。



そっとジークはアミリアを抱えたまま立ち上がった。



「部屋に戻りましょう。」



こんな姿を見られたら、どうしよう。



アミリアはぎゅっとジークの胸に顔を埋めた。



しかし、幸いなことに誰にも見とがめられはしなかったらしい。



ジークはそっとアミリアをソファに座らせた。



「…もう少し、いましょうか?」



ジークはいつもよりも大胆だった。



いつもなら、静かに出ていくのに…。



アミリアもなんだかジークに甘えたい気分で、無意識に頷いていた。



「…ここに、座って。」



そして自分の口から出たとは思えない大胆な発言。



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