心はいつも、貴方とともに
「それは、姫と騎士という立場を放棄されるということですか。」



思ったより、返ってきた声はしっかりしていた。



今度はアミリアがたじろぐ。



「はい。」



言ってしまってから、これでよかったのだろうかと心配になった。



自分は、ジークを男として見てしまっている。



姫だからという責任感だけで守られるのは、切なかった。



アミリア自身をみて、守ってほしかった。



でも、ジークは?



そういえば、考えていなかった。



彼は、どう思っているのだろう。



「貴女を、一人の女性として見てもいいと?」



こっくりとうなずく。



私が、ずっと願っていたこと。



改めて言葉で聞くと、恥ずかしかった。



「いいんですか、それで。」



いいもなにも、私が望んだこと。



「はい。
貴方は?
迷惑、ですか?」



返事はなかった。



…返事は?



もしかして、断られる…。



しかし、顔を上げるとジークは微笑んでいた。



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