心はいつも、貴方とともに
あぁ、よかった。



ほうっと身体の強張りが解ける。



「私が一番欲しい言葉、言ってくれましたね。」



…え?



「最初、お会いした時から、実はそういう感情を抱いていたんです。」



ふうっと息を吐き出し、ジークはソファに背中を預けた。



「だから、ランバート様から貴女の護衛を仰せつかったときは、信じられなかった。
迷いもした。」


「どうして?」


「騎士として、貴女を護衛する所存だとは、言い切れなかったから。
男として、守りたいと思ったから。
だから、こんな不純な動機で任務について、しくじりでもしたら大変だと思って、最初は断ろうかとも思った。
でも、これを逃したらもう貴女に関わるチャンスはなくなる。
そう思うと、飛びついてしまった。」



ジークは平坦な声で独白する。



アミリアに言っているというよりは、独り言に近かった。



「…こんな騎士失格の私を受け入れてくださるなんて、貴女は寛容な方だ。」



ジークは切なげに微笑んだ。



「そんな…。
私こそ、こんな馬鹿なお願いを…。」


「貴女言うところの馬鹿なお願いを喜んで受け入れる私は、さらに馬鹿です。」


「でも、私は断られなくてほっとしているんですよ。」


「そうですか?
嬉しいなぁ。」



初めて聞く口調に、アミリアの胸は盛大にときめく。



こんな声で話すのか。



こんな顔で笑うのか。



知らなかった一面が、次々と見えてくる。



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