心はいつも、貴方とともに
「姫。」



呼ばれて、飛び上がる。



まだいたのか。



もうとっくに行ってしまったものだと思っていたジークは、驚いたことに目の前に立っていた。



小さく悲鳴を上げてしまう。



そんなアミリアに小さく吹き出し、ジークはそっと腕を回してきた。



「あんな大胆な告白をなさったということは、これくらいはお覚悟の上ですよね?」



まさか。



ちっとも。



こんな夢みたいなことがあるだなんて、予想だにしなかった。



だって、気持ちを伝えるだけのつもりだったんだもの。



なのに、こんな…



こんな幸せって、あっていいの?



ふわり、とジークの匂いが鼻をくすぐる。



あぁ、いつもすれ違いざまに嗅いだこの香り。



これからは望めばいつでもこうできると思うと、嬉しくて心臓が躍り出す。



「…お嫌、ですか?」



微動だにしないアミリアに、ジークは狼狽えて身を離す。



「あ!
あぁ、いいえッ!」



アミリアは慌てて首を振る。



声がみっともなく裏返った。



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