心はいつも、貴方とともに
誰だろう、こんな朝早くに。
静かに扉を開けると、なんとラジャだった。
「お前か。
どうした、こんなところまで。」
言い終える間もなく、ラジャはわずかな隙間から身体を滑り込ませた。
そして素早くドアを閉め、もどかしげにジークを手招く。
「なんだ。」
様子の違いを感じ取り、ジークは声を落とした。
「あのな、驚くなよ。」
「だから、なんだ。」
何度か口ごもり、気遣わしげにジークを見やってから、ラジャはやっと口を開いた。
「この頃、飢饉で被害が拡大してんだろ?
で、それを収めるために、今日アミリア姫を生贄として差し出すんだとさ。」
途端、こないだ彼女が自分にしろと騒いでいたのはこのことかと合点がいった。
すっと表情を消したジークに慌てて、ラジャは何度も名前を呼ばわった。
「おい、ジーク。
ジーク、どうした?」
「あ、いや、なんでもない。
そうか、そうなのか。」
「あぁ。
…止めなくていいのか?」
ジークはゆっくりと、ラジャをみた。
心底心配そうな目が、自分を見つめている。
「いくら神の御子だからって、こんなの無茶だ。
不死身でも、痛いものは痛いんだろ?
だいたい、生き返るってのも、本当なのかわかったもんじゃないし。」
確かに、不安だ。
静かに扉を開けると、なんとラジャだった。
「お前か。
どうした、こんなところまで。」
言い終える間もなく、ラジャはわずかな隙間から身体を滑り込ませた。
そして素早くドアを閉め、もどかしげにジークを手招く。
「なんだ。」
様子の違いを感じ取り、ジークは声を落とした。
「あのな、驚くなよ。」
「だから、なんだ。」
何度か口ごもり、気遣わしげにジークを見やってから、ラジャはやっと口を開いた。
「この頃、飢饉で被害が拡大してんだろ?
で、それを収めるために、今日アミリア姫を生贄として差し出すんだとさ。」
途端、こないだ彼女が自分にしろと騒いでいたのはこのことかと合点がいった。
すっと表情を消したジークに慌てて、ラジャは何度も名前を呼ばわった。
「おい、ジーク。
ジーク、どうした?」
「あ、いや、なんでもない。
そうか、そうなのか。」
「あぁ。
…止めなくていいのか?」
ジークはゆっくりと、ラジャをみた。
心底心配そうな目が、自分を見つめている。
「いくら神の御子だからって、こんなの無茶だ。
不死身でも、痛いものは痛いんだろ?
だいたい、生き返るってのも、本当なのかわかったもんじゃないし。」
確かに、不安だ。