心はいつも、貴方とともに
しかし、彼女は一度生き返ったという過去がある。



今回も大丈夫なはずだ。



「俺達が見ていたわけじゃないが、一度姫は生き返って見せた。
今回も大丈夫さ。」



なかば本気で、ジークは信じていた。



なぜなら、



「もし、危険なようなら、ランバート様が許可しないだろう。」


「……それも、そうだな。」



訓練に参加したときに嬉しそうに妹の話をするランバートをみているので、ラジャもすぐに納得する。



しかし、王子もよく納得したな。



この間の様子では、首を縦に振りそうにはなかったのに。



「でもなぁ、なんか引っかかるんだよなぁ。」



ラジャはしきりに首を捻る。



「引っかかったところで、俺達にはどうしようもない。
だろ?」


「そうだけど…。」



ラジャは子どものように唇を尖らせる。



そして、上目使いにジークを見上げた。



「一応、お前には伝えておこうと思って。
親父の情報は確かだしさ。」



どうやらラジャはまた父親の極秘情報を盗み聞いたらしい。



小さい頃から治らない、ジークにとっては便利な悪い癖だ。



「ありがとう。」


「いや、別に。」



数秒照れくさい沈黙が流れ、ラジャはすっくと立ち上がった。



「じゃ、俺は戻るよ。
姫様をちゃんと守るんだぞ、騎士様。」


「わかってるよ。
じゃあな。」




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