心はいつも、貴方とともに
あっさりと親友は去っていく。



その姿を見届け、ジークは大きく伸びをした。



…姫が、生贄、か。



姫も大変だな。



痛いんだろうな、やっぱり。



出来ることなら、彼女にそんな役回りはしてほしくない。



しかし、それが彼女の役目なんだろう。



この間も、必死で頼み込んでいたし。



ランバート様も、さぞかし渋ったんだろうな。



結果的に妹には弱そうな王子を思い浮かべる。



苦い顔をしたランバートの顔が、想像できた。



…そして、その顔は今の自分の顔と似ているだろうということも。



はっと気が付くと、そろそろアミリアを迎えに行く時間だった。



慌てて服装の最終確認をする。



「よし。」



昨晩の自分の行動を思い返すと、顔から火が出そうだ。



しかし、彼女のほうが重傷だったはず。



それを思うと、自然と頬が弛緩した。



なんとか冷静な顔を作って、ジークは部屋を出た。














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