心はいつも、貴方とともに
*
アミリアは無表情に兄を見返した。
「すまない。」
何度謝られても。
どういう謝罪のされかたをしても。
もう、取り返しはつかない。
アミリアは静かにソファに腰を下ろした。
朝早くに一目を忍んで訪ねてきた兄は、開口一番にこう言った。
『今日でアリソンとお別れだ。』
そう、としか言いようがなかった。
もう何度も反対した。
でも、何も変わらなかった。
ランバートは気まずそうに立っている。
「もう、どうすることもできないんですね。」
「あぁ。」
「…私はなにをすれば?」
「タイミングを見計らって迎えにくるから、その時は公衆の前に出てくれ。」
「わかりました。」
わざと、ランバートの顔を見なかった。
見ればきっと非難してしまうし、そのあと惨めな気分になるであろうことはわかっていたから。