心はいつも、貴方とともに

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朝から城は大忙しだった。



何故なら今日はアミリア姫の20歳の誕生日。



もう、何週間も前から、姫のパーティの計画がなされ、準備が進められていた。



ジークは姫を一度も見たことがないが、それはそれは美しいと聞く。



しかし大抵、噂とは一人歩きするものなので、信じてはいなかった。



だいたい、お姫様なんてものは甘やかされて育ったせいで性格がねじ曲がっていると相場が決まっている。



どんな姫もよく言われているが、仕えている侍女たちの愚痴は凄まじい…と聞く。



会ったこともないのに無礼だが、ジークはあまりアミリア姫にいいイメージを持ってはいなかった。



しかし、その姫のおかげでジークたち騎士はパーティに参加できるのだ。



普通は騎士は警護に当てられるのだが、今回は姫の意向で料理人とボーイ以外はパーティに出席できる。



侍女たちが色めき立っていた。



「おい、ジーク。
なにぼさっとしてんだよ。」


「ああ、悪い。」


「ここの飾りつけ、さっさとやっちまおうぜ。
でないと俺達はパーティに参加できなくなるぞ。」



お前のせいでご馳走を逃したら一生祟ってやる、とラジャの食べ物への執着も恐ろしい。



ジークははいはいと返事をしながら、天井から垂れ下がっているリボンを持ち上げた。



「ったく、たかが数時間の宴会にこんな豪勢な飾りつけが必要か?」


「静かに!
…不謹慎だぞ。」



誰も聞いていなかったのを確認し、ラジャを咎める。




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