心はいつも、貴方とともに
弱って頭を掻くと、いきなりアミリアが飛びついてきた。



「驚いた?」



見上げてきた顔は、悪戯っ子のようだった。



驚いて一瞬動きを止めていたジークだったが、ほうっと安心して息をついた。



「あぁ、そうだった。
ミアはあのランバート様の妹だった。」


「そうよ、血はちゃんと受け継がれてるの。」



ふふん、と笑った顔は確かに兄にそっくりだった。



「まったく、焦った俺の気持ちにもなってほしいな。」


「だって、あんまりにも気をつかうから。
私は、貴方が思うほどお嬢様じゃないんだから。」


「悪かった。
そこは、俺が言いすぎた。」


「許すわ。」



アミリアはふふっと笑って、またジークに抱きついた。



「お熱いこったね。」



いつの間にか、店主が戻ってきていた。



慌てて、2人とも身体を離す。



「あぁ、気をつかわなくていいから。
いちゃついてな。」



肉を差し出しながら、ニヤニヤとジークに目くばせする。



「何が言いたい?」


「いや?
久々にお前に会えたと思ったら、こんな美味しい場面までみれて儲けもんだなと思っただけだ。」



呆れて笑いながら財布を取り出すと、店主はニヤニヤ笑いのまま手を振った。



「今回は金はいらないよ。
その金で彼女に花でも買ってやれ。」




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