心はいつも、貴方とともに
どれだけ出すと言っても、店主はいらないの一点張りだった。



仕方なく、その言葉に甘える。



アミリアは丁寧に礼を言い、頭を下げ、ジークのあとについて店を出た。



「いい方ね。」


「だろう?
家族みたいな人なんだ。」



アミリアは嬉しそうに笑っている。



「どうした?」



訊いても、「別になにも」と言って答えてくれない。



「何だよ、言ってくれなきゃ気持ちが悪い。」


「なんだか、愛されてるな、って思って。」


「愛されてる?」


「ジークが。」



言われて、恥ずかしくなった。



確かに実感していることだが、人に言われると気恥ずかしい。



ジークは無言で肉にかぶりついた。



隣でアミリアが目を見張っている。



「こうやって食べるのが、庶民流だ。」



初めてだろ?と訊くと、嬉しそうに頷く。



なにがそんなに嬉しいんだか、と思いながら、頬の緩み加減は尋常じゃない。



アミリアはジークを真似て、口を大きく開いてかぶりついた。



要領を得たようで、何度もそれをくり返す。




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