心はいつも、貴方とともに
ふと我に返ってアミリアを見ると、彼女は自分を見つめていた。



「ご両親に、会ってくる?
私は待ってるから。」


「どうして。」



ジークは口角をなんとか持ち上げて、笑みを作った。



「実を言うと、別れ際がつらいから会いたくないんだ。」


「でも、会ったときの喜びのほうが大きいはずよ。」



諭すように、アミリアはジークの腕に手を添えた。



ジークはぐっと唇を噛む。



「いいんだ。」


「でも…。」


「いいんだ。」



決して声を荒げたわけではないが、ジークの声はどこか攻撃的だった。



そこからアミリアはもうなにも言わなかった。



「今日は、ミアと一緒にいるって決めた。
俺が会いたいときにはいつでも両親に会える。
でも、ミアといられるのは今日しかない。」


「じゃあ、次会いに来るのね。」



無理矢理会話を終わらせるように、アミリアは言った。



「行こう。」



小さな手が、するりと絡みついてきた。



そして先導するように歩き出す。



自分で頑なに拒否したくせに、ジークは後ろ髪引かれる思いで家を後にしたのだった。




















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