心はいつも、貴方とともに
俺達は、恋人なんだ。



自分で心の中でつぶやいておきながら、どこか寂しくなった。



大通りを一歩外れただけで、辺りは静かになった。



曲がりくねった小道を抜けていくと、パッと開けた場所にでる。



そこが、ジークの目指している場所だった。



差し込む光に顔を顰めながら、アミリアが息を飲む音が聞こえた。



その気配に満足し、ジークはふっと笑う。



どうだ、綺麗だろう。



その意識が伝わったかのように、アミリアが小さくその言葉をつぶやいた。



2人の眼前には、崖下に広がるだだっぴろい町並みと、小さい噴水がある。



知る人は少ない、隠れた名所だ。



昔、父に連れてきてもらった。



軽く手を引くと、アミリアは我に返ったように歩き出した。



つるつるとした噴水の淵に腰かける。



細かな水しぶきを浴び、アミリアは楽しそうな悲鳴を上げた。



そんな姿を見て、また愛しさがこみあげてくる。



するりと、アミリアは帽子をとる。



まとめられていた金髪があふれ出た。



ジークは無意識に手を伸ばし、その髪を梳く。



アミリアは自然にそれに甘えた。







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