心はいつも、貴方とともに
しかしそれをお見通しらしいジークは優しく笑って、話題を変えた。



「ランバート様に会ったよ。」


「お兄様に?
どうだった、お変わりなかった?」



ランバートはそれこそこの一年、ほとんど城に戻っていない。



城に残ってくれと懇願する父王を綺麗に無視し、戦場で指揮をふるっている。



「確かに疲れはだいぶ溜まっていそうだったけれど、身体を壊された様子はなかったし、諦めてなかった。
相変わらずだったよ。」


「そう、よかった。」



無事が確認できただけでもよしとする。



初めの方には頻繁に手紙が届いていたが、最近はめっきりで音信不通だったのだ。



「ミアは?
最近、どうだった?」


「最近って…貴方が出ていってから5日しか経っていないし…。
特に、変わりはないわ。」



一日中ここに缶詰だしね、と言うと、そうだったとジークは笑った。



「まぁ、そう腐るな。」


「散歩、行きましょう。」



久々の外出。



日の光を浴びられる。



この部屋では昼か夜かさえもわからないので、いい加減辟易していたところだ。



にっこり笑って手を出したのだが、ジークは渋い顔をした。



「駄目だ。
この前みたいに刺客が紛れ込んでたらどうする。」


「…わかったわ。」



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