心はいつも、貴方とともに
本当は行きたくて仕方がないのだが、ここはぐっと我慢する。



子どものように駄々をこねてジークを困らせたくはなかった。



「畑が気になるわね。」


「そうだな、もうだいぶ行ってないな。」



草抜きしなきゃ、とつぶやくと、ジークは可笑しいなと笑い出した。



「なによ!」



パシッと肩を叩くと、そのまま手を捕まえられる。



「お姫様が、草抜きしなきゃだって。
おっかしいったら。」



悪かったわね。



むすっと膨れても、ジークはお構いなしだ。



終いにはアミリアも笑い出す。



「なんだよ、本人まで笑ってる。」


「だって、貴方が可笑しいんですもの。」


「はははっ。」



こんなに笑いあうのは久し振りで、なんだか涙がこみ上げてきた。



それを隠すために背を向けて目をしばたたく。



その背中に、ジークが覆いかぶさってきた。



「あぁ、ミアの背中だ。」


「他の誰のでもないでしょう、おかしいこと言うのね。」


「ん…。」



ジークの髪が、首筋にかかる。



くすぐったくなって、身をよじった。



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