心はいつも、貴方とともに
「…そろそろ、言うべきなのかしら。」


「それは…。
アミリア様がお話になりたいんでしたら、早めにされたほうが。」


「そうよね…。」



近いうちに、言わなければ。



ジークに隠し事など、したくない。



でも、言ってしまえば傷つけるのではないか。



呆れさせるのではないか。



アミリアはぎゅっと胸を押さえた。




「決めた。
……明日、話すわ。」


「そうですか。」



マリアは賛成とも、反対とも言わなかった。



ただ、優しく微笑んでくれた。



「さぁ、もう少しお休みください。」


「そうね。」



言いながらも、眠れる気がしなかった。



取り敢えず布団にもぐると、アミリアはゆっくりと寝返りをうった。



もう、夜明けは近いだろう。



決心が鈍らないうちに、ジークに話さなくては。



お願い、私を嫌わないで。



ぐるぐると不安が胸を浸食する。







結局、アミリアは眠れないまま朝を迎えた。







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