心はいつも、貴方とともに
「ジーク、話があるの。」


「話。」



不思議そうにしながらも、アミリアが指した向いのソファに腰を下ろした。



深呼吸してから、話を切り出す。



「とても、大事な話よ。」


「なんだ。」



ジークの顔に、不安の色が浮かぶ。



「私の、話。」


「ミアの?」


「そう。」



何から話そう。



さっき、台詞を用意しておいたはずなのに。



「私には、大きな秘密があるの。」



私はね、



「三つ子だったの。」


「三つ子…?」



怪訝そうな顔で、ジークは首を傾げる。



「そんな話、聞いたことがないな。」


「極秘事項だったから。
父は必死で隠そうとしたわ。」



そして、アミリアはぽつりぽつりと、昔のことを話した。



自分たちが城の奥で静かに育てられたこと。



ある日、自分たちの存在が外に知れたこと。



妹が死んでしまったこと。



…そして、アリソンのこと。



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