心はいつも、貴方とともに
「もう一度会いたいって、ごねられたわ。
もう一度、入れ代わってって何度も頼まれた。
けど、断ったの私。」



反省させるということもあったし、あの子をそう何度も外へ出していると困ったことになるということもわかっていた。



でも、それ以外にも、自分がジークに接していたいという思いも少なからずあった。



醜い、私。



そしてそのまま、あの子は二度と外へは出られなかった。



震える声を抑えながら、アリソンの最期を告げる。



今度こそ、ジークは言葉を失ったようだった。



「私は、不死身なんかじゃないの。」



不死だなんて、永遠の命だなんて。



そんなもの、あるはずがないのに。



「妹たちの命を犠牲にして、“神の御子”のふりをしてたの。」



怖くて、ジークの顔を見られない。



アミリアは顔を伏せたまま話し続けた。



「貴方を騙したりして、本当にごめんなさい。」



返事は返ってこなかった。



正面のジークの影が、ふらりと立ち上がる。



そしてそのまま、戸口へと向かっていった。



パタンと扉の閉まる音だけを残して、ジークの気配は消える。



目から涙が零れ落ちた。



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