心はいつも、貴方とともに
the end of the war
*
あれから一週間が経つが、あれからずっとアミリアに会っていない。
まだ整理がつかないでいた。
彼女はこの扉一枚を隔てた向こうにいるのに、扉を開ける勇気が出ない。
裏切られた、と思った。
自分だけじゃない。
国民はみな、アミリア姫の奇蹟を信じている。
なのに、その神話じみた話の裏側で起こっていたのは、殺人だ。
受け入れろというほうが難しい。
…でも、ミアが悪いわけじゃないとわかってはいるんだ。
自分を殺してくれと懇願していたアミリアが浮かぶ。
あれは、そういうことだったのだ。
部屋に入って、大丈夫だ愛していると抱きしめてやりたい。
でも、どういう顔をして会えばいいのかわからない。
ジークは怨めしく、背後の扉を睨んだ。
と、ファンファーレが吹き鳴らされる。
ジークははっと顔を上げた。
中から小さな足音が走ってくる。
まさか、と思ったらそのまさかだった。
バァーンと扉を蹴り飛ばすように押し開け、アミリアが飛び出してきた。