心はいつも、貴方とともに
「この国が、もっと大きければな。
もっと強ければ、こんなことにはならなかったのにな。」


「いいえ、私が…。」


「言っても始まらない。」



それは、貴方もですよ。



「……ジークには、すべて話したのか?」


「はい。」


「反応は?」


「………………ありませんでした。」



ランバートはそうかとだけ言った。



「わかってくれてるさ。」



そうだといいけれど。



でも、許してと言うつもりもないし、わかってくれと言うつもりもない。



いっそ、恨んでくれたらお互い楽なんじゃないかとさえ思う。



「出来ることなら、お前達二人を引き離したくなかった。」


「最初から、わかってましたよ?
絶対に、別れはくると思ってましたから。
…それを引き延ばしてくださってありがとうございます。」


「所詮、この程度だったがな。」



ランバートの自嘲的な笑みが、痛い。



それがどれだけ大変だったか、アミリアにも想像はつく。



臣下の不満を抑え込み、妹一人のためだけに戦争を受ける。



勝手な王子だとののしられたこともあっただろうに。



それを全部自分で引き受けて強引ながらも守ろうとしてくれた。



それがどれだけ嬉しいか。



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