心はいつも、貴方とともに
*
コンコンとドアがノックされ、アミリアは立ち上がった。
「はい。」
「ミア?
俺だ。」
「どうぞ。」
すぐにランバートが顔を出した。
「仕度はどうだ?」
「もう、十分すぎるくらいに。」
ランバートはその言葉に苦笑いをした。
「確かに、お前は普段化粧をしないもんな。」
「はいぃ…。」
へたっと、アミリアは座りこむ。
慣れもしない化粧を施され、何時間も髪や顔を触られ、香水を振られ。
変に体力を消耗した。
「それはそうと、お前、そろそろ時間だぞ。
心の準備は?」
「…心臓が飛び出しそうです。
私なんかが主役を務めるだなんて…。」
「大丈夫だ、俺だって出来た。
お前だって、出来るさ。
俺の妹だろ?」
その言葉に嬉しくなる。
俺の妹だろ?だなんて。
頷くしかない。