心はいつも、貴方とともに
good bye
*
嘘だ。
そんなの、嘘だ。
俺は、信じない。
ジークは目を見開いたまま、動かなかった。
正面ではラジャが、顔を歪めて立っている。
「ジーク…。」
「……………一人に、してくれ。」
ジークはラジャに背を向けて歩き出す。
石造りの床が、コツコツと響いた。
がしゃがしゃと、頭を掻き回す。
「嘘だ。」
声に出して、つぶやいた。
ミアが、いなくなる。
結婚、してしまう。
会えなく、なる。
永遠の、別れ。
頭では理解していても、心では納得できなかった。
お互い、別れは来るものだとわかっていた。
だからといって、用意ができているわけではなかった。