心はいつも、貴方とともに







“明日、早朝、中庭で待っています。”



そう書いたメモをマリアに託し、ジークに届けさせた。



来てくれるだろうか。



アミリアは祈るような気持ちで、マリアを見送った。



もう、ジークは知っているんだろうか。



城中に話は回ったはずだから、知っているはずだ。



なら、来てくれるかしら。



束の間でいい、私の話を聞いてほしい。



私がどれだけ貴方を愛しているか、感謝しているか。



最後に伝えさせてほしいの。



兄との別れはこの間済ませた。



マリアは嫁ぎ先まで一緒についてきてくれる。



残るはジークだけだった。



出逢わなければよかったと、思ったことも実はある。



でも、彼に会えなかったら自分はこんなに幸せな時間を過ごすことが出来なかった。



愛することも知らなかった。



ありがとう、ジーク。



こんなに私は濃い時間を過ごせた。



愛しています、ジーク。












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