心はいつも、貴方とともに
*
彼女の背中が遠ざかっていく。
引き留めることは、できない。
それが辛かった。
やっと会えた彼女は、やはりやつれてみえた。
少なからず自分もその一因だ。
「ミア…。」
呟いた声は、きっと聞こえていない。
すまなかった。
騎士らしいことは何もできなかった。
それでも、傍にいられて、幸せだった。
…君はどうだった?
ジークは早足に去っていくアミリアを目で追った。
あの背中は、きっと泣いている。
ミアは泣き虫だから。
ジークもこらえきれずに涙をこぼした。
あぁ、俺も案外泣き虫なんだな。
最近泣いてばかりだ。