心はいつも、貴方とともに







彼女の背中が遠ざかっていく。



引き留めることは、できない。



それが辛かった。



やっと会えた彼女は、やはりやつれてみえた。



少なからず自分もその一因だ。



「ミア…。」



呟いた声は、きっと聞こえていない。



すまなかった。



騎士らしいことは何もできなかった。



それでも、傍にいられて、幸せだった。



…君はどうだった?



ジークは早足に去っていくアミリアを目で追った。



あの背中は、きっと泣いている。



ミアは泣き虫だから。



ジークもこらえきれずに涙をこぼした。



あぁ、俺も案外泣き虫なんだな。



最近泣いてばかりだ。







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