心はいつも、貴方とともに
「あの子も、20歳だ。」


「同じなのに、あの子は祝われはしないのですね。」


「…仕方がないだろう。
お前は祝ってもらえるぶん、大変な思いをしている。
五分五分さ。」



な、と同意を求められ、アミリアは曖昧に微笑んだ。



そんな風には到底思えない。



自分はこんなに周りの人間に可愛がられ、愛され、手をかけてもらっているのに、アリソンはというと、城の奥で限られた人間としか接していない。



20歳という大事な誕生日でさえ、人知れずひっそりと過ごす。



一方の自分は…。



そう考えると、胸が痛んだ。



「ミア、もういい加減にしろ。
さ、行くぞ。」


「はい。」



ランバートに促され、アミリアはドレスを引っかけないように気を付けながら、椅子から立ち上がった。



ランバートはさり気なくそれを助ける。



深く息を吸い込んだアミリアに気づき、ランバートはふっと笑った。



「大丈夫だ、心配するな。」


「でも、なにか粗相をしそうで。」


「俺が助けてやるさ。」


「…はい。」



赤い絨毯を踏みしめながら歩く。



扉に近づけば近づくほど、アミリアの心臓は早鐘のように脈打った。



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