心はいつも、貴方とともに
顔を真っ赤にして、憤怒の形相の王が登場した。



姫は小刻みに震えながら、ランバート王子にしがみ付いている。



「どういうことだ!」



恥をかかされた王は、乱暴に娘を問いただす。



混乱して物も言えない状態の姫を、王子が必死で守っている。



そうこうしている間に、セドリック王子側は怒りを露わに内輪で話し合っている。



会場は大混乱だった。



「おいおい、やばいぞこれは…。」



ラジャが不安そうにぶつぶつとつぶやく。



しかし一方、ジークはなぜかほっとしていた。



姫は、嫁がない。



姫は、ここにいる。



じわじわと喜びが湧き上がっていた。



しかし、目の前では大変な騒動が巻き起こっている。



今や王は、娘につかみかかっていた。



姫は頭を抱えてしまっている。



そこに、ランバート王子が声を張り上げた。



「静粛に!」



威厳のあるその声に、文句を言おうと拳を振り上げていたセドリック王子も固まる。



全体を見回し、全員が注目しているのを確認すると、ランバート王子は満足げに頷いた。




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