心はいつも、貴方とともに
外に出ると、星が高いところで輝いていた。



黒い空に、光り輝く星。



それをみて、ふと思った。



自分は地べたに這いつくばる働きアリで、彼女はみんなを照らしてくれる星なんだ、と。



それは決して手の届かない存在で、夢を見てはいけない存在。



自分たちが歩けるように光っていてくれる、拝むべき存在。



そう思うと悲しくなった。



一緒に庭を歩いた時、本当に手が届いた気がした。



甘やかされて育って、ただの世間知らずの娘だと勝手に卑下していたのに、本当の彼女は違った。



花をみて素直に喜び、植えてくれた人間、植えさせた人間を思い描いて感謝する。



そんな、公衆の前では見せない姿を見ることができた。



その瞬間、あぁこの人も人間なんだと感じた。



手の届きそうな、幻覚を見た。



…それが覚めるのはなんて寂しく悲しいものなんだろう。



この気持ちは、なんなんだろう。



申し分ないプロポーズを断ったのを見たとき、湧き上がったこの気持ちはなんだろう。



ジークは心配したラジャが様子を見に来るまで、ずっとそうしていた。











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