心はいつも、貴方とともに
「今、食べたい?
なら、飲み物も用意するけど。」


「一緒になら、食べるわ。」


「はいはい。」



アミリアはくすっと笑った。



これは彼女なりのお誘いなのだ。



持ってきたかごから飲み物を取り出してついでやると、アリソンはわくわくとした表情を見せた。



人と一緒に何かを食べるなど、この子にとっては特別なこと。



それを再確認して胸が痛くなった。



ぱくりとマドレーヌにかぶりついたアリソンを、恐々と窺う。



「どう、口に合うかしら?」


「…うん、美味しい。
お姉さま、本当になんでもできるのね。」



屈託のない笑顔。



アミリアは曖昧に微笑んだ。



「アリソン。」


「なぁに?」



指についたくずをぺろりと舐めとりながら、アリソンはアミリアを見つめた。



「今日は、入れ代わってみましょうか?」


「え?」



きょとんとした顔で、アリソンは首を傾げる。



そして意味が分かったのか、顔を輝かせた。




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