心はいつも、貴方とともに
「本当に!?」


「えぇ。」


「私が外へ出るの?
お姉さまの代わりに!?」



頷いて見せると、さっとアリソンは立ち上がった。



「待ちなさい、まだ説明をちゃんと聞いて、約束をしてからよ。」



ぴしゃりと言うと、もどかしげにアリソンは座り直す。



「いい?
きちんと挨拶をすること、もちろん微笑みながらね。」


「お姉さまがするみたいに?」


「そう。」



わかった、と小指を切る。



「粗相はしないこと。
私の代わりに、侍女のマリアが同行するから。
きちんと言うことを聞いて?」



アリソンはさっと小指を差し出す。



「いいこと?
貴方は今日、『アミリア姫』として外にでるんですよ。
決して国民の期待に背くような、評判を落とすようなことはしては駄目よ。」



アリソンはまたさっさと小指を切る。



ここまで言い聞かせて、もう約束事が思いつかなくなったアミリアは、すっと立ち上がった。



アリソンも同じように立ち上がる。



「おしとやかに。
姫、なんですからね。
間違っても蝶を追いかけて転げまわるなんてこと、しないでちょうだいね。」


「はい、お姉さま。」



じゃあ、と着ていたものを交換する。



身の丈はほとんど同じなので支障はない。




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